いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
そこに身体の重さも相まって、真衣香は早々に抵抗をやめてしまった。
「……てか、一応聞きますけど、送るってどこまで送るつもりなんですか?」
「は? 家だろ、そんなもん」
なぜか喧嘩腰な坪井に対して、八木も負けじと不機嫌そうだが。
次に声を発した坪井の雰囲気は、それを更に上回って感じる。
「まさか、家の中に、上がり込まないですよね」
やけに一言ずつ区切って、ゆっくりと問いかけた。
それに対して八木は鼻で笑って、
「仮に俺が、マメコの家に上がり込んだとしてなぁ、それこそ押し倒して一発やろうが。 お前には関係ねぇし、そもそも知る権利もないだろが」
そう言ったのだ。
(い、いい、、一発やる、って!!なんてこと言うの!?)
「や、八木さん……っ」と、酷くなってきた喉の痛みもあって、小さな声で抗議して背中を叩いたけれど。
無視され、ついでに真衣香を持ち上げる手に力を込められた。そこからは〝黙ってろ〟の意をひしひしと感じた為、応じて黙る。
「っは、なんだそりゃ、面食らったって顔しやがって」
八木が呆れたように言った。 その坪井の表情がどのようなものなのか、真衣香には見えないし想像もできない。
「あー、そっか……。そう、っすね。はは、そーだな、そーゆうことですね」
見えない代わりに耳に届いた声。 呆気にとられたような笑い声を交えて、答えた坪井の声だった。
(……ほんと、何に、驚くっていうんだろ)
言葉選びはどうかと思う真衣香だったが、八木の発言は正論に近いと、さすがの真衣香も思ったし、そもそもなぜこの場に坪井が顔を出したのかも理解できずにいる。