いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
***
「つ、疲れた……」
深くため息をついて、うーん、と唸りながら腕を伸ばし天井を見た。
1日半、休んだわけだからさすがに仕事は溜まっていたし、その疲れもある。
けれど、1番の理由は……
(人の視線が痛すぎる……)
例えば別の部署に書類を届けに行けば、チラチラと見られ。またトイレにでも行こうものなら、聞こえるように『あ、あの人坪井くんと八木さんの』なんて指を指されそうな勢いで見られる。
それらは、人に注目されることに慣れていない真衣香の気力と体力を奪うには十分過ぎるものだった。
「はあぁ……、二股かけれるほどモテてませんよー。 なんて」
言い返せる自分には、まだまだなれそうにもないな……。
そう思いながら、伸ばした身体を次は縮こまらせて、デスクに頬をつけて伏せった。
けれど、ずん……と重い身体から力が抜けていくよりも前に、ドアが開かれる音がした。
瞬時に強張った真衣香の身体。
今日一日、思ったよりも気を張っていたようだ。
「なんだぁ、お前まだ体調悪いのか。 早く帰れよ、もう7時だぞ」
けれど、顔を出した人物は八木だった。 あからさまにホッとして気が緩んだ。
「八木さん! お疲れ様です」
泣き付きそうな勢いで駆け寄ると、八木は「あ? 懐いたって何も出ねぇぞ」なんて、また真衣香を犬扱いして、シッシッ!と追い払う動作を見せた。
そして、むくれた真衣香をニマニマと満足そうに見届けてから、次は眉間にシワを寄せた。
「つーかお前今寝てたろ? 大丈夫なのか? 言ったろが、無理して来るなって」
いきなり凄まれてしまい、真衣香は「もう元気なんですけど」と口ごもる。