いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
(しかも、美人だって言われてる素敵な人ばっかり……)
改めて、自分と坪井は全く釣り合っていなかったのだと実感した。
「気になるか」
考え込んでいた真衣香に八木が聞いた。
「……何がですか?」
「女どもが坪井に群がってんのが。 さっきチラチラ見てたろ」
「……あ」と、短く反応を返したけれど、そこから言葉に詰まる
会議室へ八木の忘れ物を持って行った時の話をされているのだろう。
高柳を始め、営業部も数人がその場にいて。
真衣香は、その中に坪井の姿も見つけてしまった。
まだ人数が揃っていなかったフロア内は休憩中のように騒がしく、企画部の女性たちから質問攻めで囲まれている坪井を横目で追ってしまっていたから。
きっと、八木はそんな真衣香を見ていたのだろう。
「まぁ、今の様子で坪井が他を相手にするようにも見えねぇけど」
八木はまとめた書類を真衣香に手渡しながら言った。
受け取りながら、その言葉に返す。
「あ、あれから特に、何も……。話しかけられてもないですし、もう本当に関係ないですよ」
(きっと坪井くんの気まぐれも終わったってことなんだ)
それに……。と真衣香は思った。
気になるもなにも。これも”前に戻った”だけなんだ。もともと坪井は真衣香にとって別世界の人で、遠目に眺めるだけの日々に何の疑問も感じず、過ごしてきた。
ここ一ヶ月が”違った”だけなんだ。
(昨日、今日と遠くから眺めてたら思い出せて冷静になれたよね……よかった)
「まぁ、気になるか、なんて聞かれたらそう答えるしかないわな、余計なこと聞いたわ、悪かった」
「え!? そ、そんな八木さんが私に謝るなんて珍しすぎます……っ」