いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


『あー、でも、そういやチラッと聞いたけど。なんか2組今ヤバいんだろ? その子、クラスの女子からガン無視されてるとかサッカー部のやつに聞いたけど』

『あ、それ俺も聞いた最近。マジなの? 彼氏。 守ってあげたりしてんのかよー』

友人たちは特に深刻味もなく、からかい混じりに言って。坪井自身も女子って大変だよな。と、他人事のように軽く受け取った。

(ここで1人マジになったら引かれそうだし、とか思ってさ)

そんな話をした、ちょうど、その日の夕方だったと思う。
メールが来た。

〝別れて“と短く。

そこで、やっと会いに行った。

隣のクラスの担任にだっただろうか?彼女の家を聞いて、急いで、会いに行った。


最後に学校で会ったのは、いつだったか。
一緒に帰ったのは。
声を聞いたのは。

おかしいな、と感じながらも。異性のことで目立って、からかわれることの方に意識が傾いていた。

そんなもの、人の心の変化に比べたら、受ける傷に比べたら。
なんてことはないというのに。


たどり着いた彼女の家のインターホンを押す手が震えていたこと。
最初に出てきた彼女の親と目を合わせられなかったこと。
よく覚えてる。

『……どうしたの?』

坪井の前に顔を出した彼女が言った。
顔色が悪い。
表情が暗い。

どれもこれも、嫌なくらいに覚えている。

彼女の様子に異様な恐怖を覚えた。
きっと、怯えていたのだと思う。

怯えながら聞いたのだと思う。

『別れるって何? 無視されてるとか聞いて、そーゆう話となんか関係ある?』

遅すぎる問いだったんだろう。

どうして、自分ばかりを優先するならば応えた。
『好きだ』なんて。
彼女の気持ちに応えたのだろうか。

涙を流し『知られたくなかったな、いじめられてるなんて恥ずかしい』と彼女は言った。

なんでそんなことに。と、聞いた。

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