いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
「では、そのあたりを適当に頼みましょうか。飲み物はどうしますか」
「こ、この野菜とベリーのスムージーで……」
呼び出した店員に高柳はにこやかに、2人分にしては多いのではないかと思う量をオーダーして、再び真衣香を見た。
「では、時間もありませんし手短に話しましょう」
たくさんの料理を注文して「手短に」と言う、そんな高柳に再び疑問を抱きつつ。彼の言葉に耳を傾けた。
「まず、最初に。申し訳ありません」
「え?」
「先に謝っておきます。今から君を不快にさせますが、許して下さい」
清々しい先手に、真衣香は不思議と恐怖はなく呆気に取られるばかりだ。
「次に、前提として。俺は君に嫌われても全く問題がありませんので、そのあたり気を遣いません」
「……は、はあ」
言われるまでもなく、真衣香の気持ちなど高柳が気にするところではないだろう。
発言自体にではなく、目の前の高柳が何を考えているのかがわからず戸惑っていた。
「では単刀直入に。君と坪井の関係は、どのようなものだったんですか」
穏やかな口調、にっこりと作られた笑み。
そこから出てきた質問に驚き、ピンと背筋が伸びた。
「ど、どのような……。と、いいますか。あの、顛末書の件は?」
「ああ、何も問題はありませんでしたよ。何より形式的なものですし、定型分があればそれで結構です」
「そうでしたか……」と消え入りそうな声で返した真衣香の声が届いていたかは、わからない。
「ただ、君が確実に足を止めてくれると思って発言したのみです」
「足を止める……」
「はい。ちなみに、坪井の件をお話ししたかったのは本当です。今お聞きしてるとおり」
(なるほど……)