いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
真衣香は心の中で答えてみたが、当の本人も何が“なるほど“なのか。さっぱりわからない。
なぜなら、どのようなものだったのかと聞かれて答えて欲しいのは真衣香の方だから。
そして、何より。
坪井の上司である高柳が、なぜ彼のプライベートな件にまで堂々と首を突っ込んでいるのか。
「個人的におもしろい男だと思って、見て楽しんでいるからですよ。俺が、個人的に」
「……え?」
「なぜこんなことを聞いてくるのかと、そんな顔をしていたので答えました」
また心の中を読まれていたのかと錯覚しそうになる。
真衣香は唇の端を何とか動かして不自然な笑顔を作った。
(どうしよう、もうすでに高柳部長が怖い)
「そ、そうなんですね」
とりあえずの相槌で会話を続ける真衣香に「実はですね」と穏やかな声が返ってきた。
「立花さんには全く興味はなかったのですが……あれがどうにも執着を見せるので。どのような女性かと期待していました」
高柳は、そこで一度言葉を区切って真衣香を見た。
そして弧を描く口元からは、似つかわしくない言葉を発しながら笑う。
「期待はずれでガッカリしています、とても」
「……は?」
これには、さすがの真衣香も感情をあらわにした。驚きと戸惑いから少し大きく、非難するような声が出てしまったのだ。
慌てて口元に手をやった。
そんな真衣香の様子を知ってか、それとも眼中になどないのか。
わからないが、変わらぬ様子で高柳は続ける。
「これだと本当に営業所へ飛ばしてしまえばよかったなと、思っています。君が近くにいると思うと気が散るのか、つまらないミスが続いて俺にまで害が及ぶ。正直大迷惑です」
「だ、大迷惑……ですか…………」