いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


真衣香の声に、高柳は、それはそれは。深く大きく頷いた。

「二課には、まだまだ頼りない課長代理しかいないので。坪井の持っている仕事に問題があれば大抵、直接俺が尻拭いをしなくてはいけなくなります」
「え?な、何かあったんでしょうか」

「何かと言われると多々ありましたけど」と。高柳は笑顔のまま、声を少し低くしてテーブルの上で指を組んだ。

(ひょ、評価シート提出の時の面談みたい……)

仕事ではないと言われても。真衣香の脳裏には少し前に杉田と向かい合った、ボーナス前の面談時の様子がよみがえっていた。
が、もちろんそれを声にできるほど和やかな雰囲気ではなかったのだが。

「今月頭くらいから、並程度にしか使えなくなりました」
「並……」

それで例えるのだとすれば、真衣香など並以下だろうに。上司である杉田や八木に申し訳なさを感じつつ。坪井のことも同時、気になってしまう自分がいた。

「その頃に、何かありましたか」
「何か……、あったと言われればあったかもしれませんが。仕事には関係ないと思います」
「そうですか、それはなぜ?」
「……坪井くんにとっては、何かを左右されるほど大きな問題ではないと思うからです」

高柳は真衣香の答えを聞き、更に笑みを深めた。
一見穏やかな表情が、今の真衣香には何かを見透かされていくようで。
恐ろしさが、身体中を這っていく。ぞわぞわと皮膚が悲鳴を上げた。

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