いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
優しい声をこれでもか、と出して。「そんなの願われなくても捕まえるしー!」と、明らかな怒気を含んだ声に、眉を下げながら笑って答えた坪井。
サンタ女がフロアの方へと去った後。
隣からチクチク視線を感じる。
見れば、1人きりの隼人がこちらをどんよりした空気で睨みつけている。煌びやかなライトに照らされているはずだが、醸し出す空気自体がどうにも暗い。本当に暗い。
「……え、なんで? お前もサンタ女追い払ったの?」
不思議そうに聞いた坪井をキッと睨みつけて隼人が叫ぶ。
「あの子ら2人連れだろ! お前がそっちの子追い払った時点で追いかけてったわ! 女の友情ってそこんとこ男と違うからな!?」
「どーゆうこと。 4人でしたかったの?」
意味がわからないな、と小首傾げた。
「アホかよ! 4Pやら乱交やらなぁ、そんな話してんじゃねーよ! お前は相手見つけたら俺なんか置いていく薄情な奴だからわかんねぇだろうけど!」
両手で顔を覆って大袈裟に泣き真似してくる隼人をチラリと見たが、変にそこに触れると話が長くなりそうなので目を逸らして言う。
「あ、そっか。ごめん」
(友情に男と女で違いがあるのかはさっぱりわかんないけど、悪いことしたな)
素直に謝った為か、隼人の声は心配そうなものに変化した。
「そんなことより好きな子って何だよ、お前、女を好きになれんのか」
「はあ?」
他人の性癖や恋愛対象は自由だし、口を出す気はもちろんないが。
「……俺別に、男に興味持ったことないけど」
真顔で答えた坪井を隼人は「ちっげーよ!アホか!」と理不尽に怒鳴りつける。忘れてたけど隼人は酔うと声がでかい。
「じゃあ、なに」
聞きながら手にしていたジャケットを羽織り、カクテルのグラスを手に持った。
「中学の頃モメてからお前は女が嫌いだろ」
口に含んだ酒が、変なとこに入ってゲホゲホと少し咽せる。
「……は?」
口を拭いながら、何を言われたのか理解できない坪井は目を見開き隼人を眺めた。
「でも嫌なこと忘れさせてくれんのは女とのセックスだろ、お前……女は嫌いなのに女に甘えたいんだ、昔からそーゆー奴だ」
「いや、待て待て。好きだけど、女の子」