これは恋ですか。
あぁ、すごい。

やっぱり、大和は、すごい。
周囲になんと言われても、どんな境遇になっても
自分に何が出来るかを考えている。


「でもさ、販売促進部でも煙たがれて仕事も割り振られなくなって。
威が怒って、COOGAに引き抜いてくれたんだけど、COOGAじゃ、創業者一族だからとまるで腫れ物を触るような扱いで。

その時、手を差し伸べてくれたのは、一条専務だった。
ちょうど、一条商事の副社長になった頃で。あの人も古い会社の体質と戦っていた。
一緒に新しい時代を、最高の未来を作ろうと。

俺は、あの人の手を取った。
人生をあの人に賭ける。これからもあの人の為に頑張り続けるつもりだ」


どうしよう。

たまらなくこの人が愛しい。

自分を受け入れてもらえない環境の中でも、決して腐らず、前向きに生きてきた人。
楽をする為に嘘をついたり、力を抜いて生きていくことができない、不器用で強い人。

私はそっと、繋いだ手に力を込めた。



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