これは恋ですか。
嫌い
それで。

何故だろう。

ここはホテルストリーク。
一条グループの高級ホテル。
その最上階、夜景が一望できるステキなレストランに、一条専務と私。

2人きり…

どうしよう。ドキドキしてしまう。

「あと一人、後から来るから。
とりあえず、食前酒」

専務がオーダーする。

久我さんはダボダボのスーツを着替えるよう専務に指示された。
合流するまでまだ時間がかかるだろう。

久我さん来るまで、私、専務と二人きり…
意識するなって方が無理。

だって、夜景を見つめるその横顔さえ、ほんのり憂いがあって、素敵すぎ。


憂い…?


専務は、黙って夜景を見つめながら、ネクタイの結び目に手を置いている。

なぜだろう、苦しそうに見える。

「専務、お疲れ様です」

そっと声をかけてみたけれど、私の声は届かない。

専務が夜景から目を伏せ、うなだれた。
その時首元がライトに反射して、キラリと光る。

あれ、専務、アクセサリーなんてつけてるんだ。
やっぱりオシャレなんだなぁ。


「お待たせしました!
いやぁ、ホテルストリークなんて久しぶりだぁ。
専務、ありがとうございます」



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