これは恋ですか。
「本気で専務と、なんて思っていた訳じゃないんです。ただの、憧れ。
だけど、やっぱりショックみたい」

涙を流していたことで、自分で思っているよりショックを受けていたことを知る。

「私、今日は、これで帰ります」


「…そうか。
大丈夫?」

「久我さんこそ、大丈夫ですか?
ちゃんと帰って下さいね?」


私は、大丈夫。
確かに思っていたよりショックだったけど、涙も止まった。


「俺は、大丈夫じゃないかもなぁ。
専務の事が気になって仕方ないよ。

専務が大事な仕事の会議をキャンセルしてまで会ってる女なら、多分、本命だろう。
専務は、モテる。だけど、今まで本命はいなかったんだ。

どんな女なんだろ。
相手の女に会って、専務に相応しいか、見極めたい!
後追っかけて、声かけようかな」


「ちょ…ダメですよ、久我さん!

専務を、信じましょう?」


でも久我さんは、専務の姿が消えた方から目を離さない。
これは…マズイかも。


なんとか、久我さんの気を専務から逸らさなきゃ。
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