これは恋ですか。
ニューヨークの弁護士
一条に、アメリカから、新しい顧問弁護士が来ることになった。

聞けば、以前大和の持っている特許の件でお世話になった先生とのこと。

ニューヨークでバリバリ働いている女性弁護士かぁ。どんな人なのかな。


「クールな感じの美人だったなぁ」


大和が、ランチのうどんをすすりながら、呟いた。


2人で映画を観たあの日から、変わったことがいくつかある。
まずは、大和が小綺麗にしていること。
ボサボサだった髪を短く切り、作業着からは洗剤の匂いがしている。

それから、毎週水曜日は昼時になるとふらりと現れて、専務と私と3人でランチにすることが日課になった。

一条商事の業務もこなす専務が、水曜日だけは定例会議でIJソリューションズへ昼時にいらっしゃるからだ。


「だけど、高校時代の姿は思い出せないんだよなぁ。弁護士先生の秘書の男のことは、すぐ思い出したんだけど」

「人間に興味のない久我が、覚えていただけでも驚きだ。
基本は、一条商事の業務だが、何かあれば頼れ」





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