これは恋ですか。
「そうだ、華子。
その弁護士先生来たらさ、俺も会いたいから時間作ってよ」

私は食べかけていたサンドイッチを皿において、手帳を出す。

「一応聞いてみますが…お時間取れるかわかりませんよ?」

「その時は、しょうがない。

…ご馳走さまでした。

じゃ、俺、研究室に戻ります」

空になった食器を片付ける為に社員食堂を横切る大和。
すれ違った女性が大和の姿を目で追っている。

小綺麗にしていれば、ああやって女の子の目を惹くくらい、まともなのに。


「華子くん、久我のこと、気になる?」


定食を食べていた専務が、私の目線の先に気づいた。

「あのお皿を落とすんじゃないかと。
大和の場合、いつスイッチが入るかわからないですから」


「ふぅん、“大和”ねぇ。
案外、いい組み合わせかも知れないな。
華子くんは、ああいうタイプに慣れてるし。

そういえば、今日から九条教授、大阪に出張じゃなかったか?
久我と夕飯でも行ってくればいいんじゃないか?」


専務が意味深な発言をする。


「え、嫌ですよ、大和の補佐とか。
私には秘書の仕事がありますから」

「もちろん、華子くんがいないと俺が困る。

そうじゃなくて…
ま、いいか。
久我も華子くんがお気に入りのようだし、そのうち…」


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