これは恋ですか。
「桜木先生、大将ともお知り合いなんですか!
一体、先生は何者⁈」
「何者って、ただの弁護士です」
桜木先生は、淡々と答える。
「えーうそぉ。副社長、教えてください。桜木先生って…?」
副社長は、意味深に笑ったまま、答えてくれない。
高校時代の知り合い程度のはずないよ。醸し出す雰囲気が、すごく親しげだし。
それに大将の口ぶりからしても、先生はいいところのお嬢様だと思う。
「教えてください、副社長」
「華子くん、そんなに気になるのか?」
うなづいた私の前で副社長はおもむろに桜木先生を抱き寄せた。
「いぶきは、公私ともに、俺のパートナーだ」
公私ともに…?
それって…
ふと、以前、銀座で見かけた女性連れの副社長の姿を思い出す。
あの時の女性は、もしかしたら桜木先生だったんじゃ…
あの時の女性は、長い髪を一つに束ね、スーツを着こなすスラリとした女性だった。
目の前の桜木先生と、重なる。
「副社長の、本命の恋人ってこと、ですか?」
やばい。声が震えてしまう。泣いちゃいそうだ。
だって、桜木先生みたいな素敵な女性なら、認めざるを得ない。