これは恋ですか。
「憧れてる。
世界の一条のトップに立つべき人。
そのお手伝いが出来ることが私の誇り。

桜木先生が右腕なら、私は左腕になって、副社長のことを支えていけたらと思う」


はっきり言葉にして、私は自分の思いに決着をつけた。
あのお二人の深い愛情を、強い絆を目の当たりにして、思い知ったから。

私の思いは、恋というにはおこがましいほどの、淡い憧れにすぎなかったのだと。



「専務はさ、昔から『一条』を背負う為に、たった一人で戦ってきた。
トップに立つ人間って、常に孤独なんだよ。

俺は、そんな専務の戦いの武器になりたい。
誰にも負けない剣|《つるぎ》になって、専務に勝利をもたらすんだ。
それが、俺の使命だと思ってる。

これからも俺は専務と一緒に、『一条』の為に戦う。

俺も桜木先生と一緒。
人生を一条拓人に賭けたんだ」


ここにも、いた。

副社長の為に、人生賭けて生きる人。


大和が、なんだかかっこよくみえる。
これほど、目標を明確に掲げて生きているなんて、素敵だな。


「うん。わかってる。

副社長が『一条』を背負い、世界を相手に、絶対的勝利しか許されない厳しい戦いを強いられていること。

ずっと間近で見ているから。


そっか、誰にも負けない剣|《つるぎ》かぁ。
大和、すごいなぁ。

右腕の桜木先生、剣の大和。
私も共に戦うためのスキルを身につけて、少しでも力になりたい」


それは、きっと、私にとって底知れぬほどの価値のあること。



「華子だって、頑張ってる。
専務の信頼も厚いし。

これからも、一緒に専務の為に頑張ろう!」
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