これは恋ですか。
ここからはじめます
「華子、華子、起きて」

遠くで誰かが呼んでる。

「あと、五分…」

「ダメ。起きないとキスするよ」

え、キス?
って、誰⁈

慌てて目を開ける。

ごちゃごちゃの荷物だらけの部屋。
荷物のわずかな隙間に置かれた簡易ベッド。

ここ、もしかして…

ハッとなって自分の服を見る。しわくちゃだけど、スーツをしっかり着ている。

「面白いなぁ。
青くなったり、赤くなったり」

そんな私を大和は笑ってみてる。

「い、今何時?

私、いつの間に寝ちゃったんだろ」

「今?朝の4時。
今からなら、家に帰ってシャワー浴びて、着替えて改めて出社できる。
朝帰りで怒られる時間もあるな」

「今、両親は大阪に出張中だから。
朝帰りなんてバレたら、大変」

「九条家のお嬢様だもんな。
華子の寝顔見たなんて言ったら、俺、手討ちにされるかも」

「見たのは、寝顔、だけ?」

「好きな女と二人きりで。
しかも俺の肩に頭乗せて寝ちゃって。
それで何もしなかったなんて、俺を褒めろ。

華子、他の男だったら無事じゃ済まないぞ。気をつけろよ?」

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