これは恋ですか。
すると、黒川さんと入れ違いくらいで、部屋のベルが鳴った。


「あ、専務?
恵さん、お連れしました」
「一条さん、丹下です」


インターフォン越しに大和と、柔らかな女性の声がした。


「どうぞ。

急にすみません、恵さん」


「いぶきさんは?大丈夫なの?」


玄関から女性がやってきた。
少し年上の、落ち着いた品のある女性。


「今は薬が効いて寝てます。
あ、うちの秘書の子も手伝いに来てくれてます。

華子くん、こちら、丹下恵さんと娘の初音(はつね)ちゃん。

恵さん、うちの秘書の、九条…」
「華子ちゃん!?九条華子ちゃんじゃない?」

副社長の紹介の言葉を遮って、女性が私の名前を呼ぶ。

あれ?この声、この顔、もしかして…


「もしかして、丹下先生!?
えーっ!先生、丹下社長の奥様だったんですかっ??」


「卒業以来じゃない。綺麗になって!しかも一条さんの秘書だなんて。立派になったのね!」

先生は笑顔で私に駆け寄って来てくれる。
そんなやり取りを、副社長が首をかしげてみていた。


「…??
華子くん?恵さん?どういうこと?」


「私の通ってた栄華女学院の、担任の先生なんです。すごい偶然ですね、先生!」

思わず先生に抱きついてしまう。

大好きな先生に、こんな形で再会出来るなんて。


< 88 / 140 >

この作品をシェア

pagetop