これは恋ですか。
鈍感娘と、変人
桜木先生は、嬉しそうに微笑んで副社長を見る。
副社長もとびきり優しい笑顔で桜木先生を見ていた。

こんな幸せそうなお二人を見ているだけで、なんだか私も幸せだ。



「そうか」


その時、不意に大和が顔を上げた。


「久我、何か閃いたか?」


副社長が笑って大和に問いかける。
大和は、副社長には目もくれず、私に言った。



「華子、結婚するぞ」



「…?
そ、そうね」


副社長と桜木先生が結婚するって、やっと理解したのかな。


「専務、結婚してもこのままホテル暮らしはないですよね。
どっかマンションでも、買う?」

「まぁな。その辺は、これからだ」

「じゃあ、専務たちの近くに住みたいから、俺も買う。見に行く時、一緒に連れてって下さい」


「俺も買うって…いつもの食事を頼むみたいに。
側にいたいのは分かるけど、大和、副社長のご迷惑になるでしょ?」


何を考えていたかと思えば。
唐突にマンションだなんて。
そんなに副社長の結婚に動揺しなくても。


「迷惑?そんなことないですよね、専務?
近いほうが何かといいと思うけど。
まぁ、華子がそう思うなら、考えるけど。

あとは、結婚式か?…他は何が必要なんだろう、華子?」


「お式はアメリカぁ。
私も是非呼んで下さいね!
アメリカは久しぶり。英語大丈夫かな。
丹下先生、久しぶりに英会話、教えて下さい。

そうだ、初音ちゃんにフラワーガールとか、ベールガール、どうですか?絶対、可愛いわ!」


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