危険なキミの溺愛
「湊の態度に翻弄されていた私に、シンが…湊のことを本当は優しい人だって教えてくれたの」



会話の内容が想定外だったのか湊の視線が一瞬泳ぐ。



「嬉しいとき、なぜか背を背けたり…照れ隠しでそういうことをすることもあるって」



「あいつ…なにペラペラ喋ってるんだよ…」



湊は少し落ち着きがない様子で立ち上がる。



「別に優しくなんてないし、照れたりとか…俺がするわけないだろ。やっぱ、もう…行くわ」



「ええっ、行っちゃうの?」



もう少し湊と話したい。



行かないで欲しい。



湊はまだベッドサイドに立っただけなのに、慌てて起き上がりベッドから降りようとした私は足首の痛みでバランスを崩してしまった。



「きゃあっ」


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