危険なキミの溺愛
遠慮がちに腕に触れると、グッと背中を引き寄せられる。



「俺がいる意味ないから。どうせなら思いっきり頼れよ」



「ありがとう…」



腕にしがみつき体重をかけて歩く。



「重くない?」



「俺のことは気にするなよ。あんまり辛かったらまた保健室につれてくしいつでも言って」



「ありがとう…」



「うん」



にっこりと微笑む顔を見ているだけで、足の痛みが消えていくの。



どうしてかな…。


「昨日の夜、気づいたら寝てた。あんなにリラックスしたの久しぶり。お前、俺になにしたの?」



「なっ、なにもしてないよ??」



「だよなー」



こんな無防備な笑顔をしている湊って、初めて見たかも。



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