【女の事件】いらくさの家
第12話
10月19日のことであった。

こうすけは、職場で受けたいびつないじめに耐えきれなくなってしまったことと美香子と結婚したこと自体に加えて小松崎の家に婿養子に来たこと自体により激しい不満をつのらせていた。

こうすけは、離婚届けを美香子につき出して『離婚しろ!!』と迫った。

しかし、美香子が拒否したので、こうすけは美香子の顔をグーで激しく殴って大ケガを負わせた。

こうすけは『オドレはいつから父親の言いなりになったのだ!!』と激怒したあと、美香子の顔をグーでボロボロに傷つくまで殴り付けていた。

その日の夕方6時半頃のことであった。

美香子がこうすけから強烈な暴力を受けたことが原因で顔に大ケガを負ってしまったので、(多香子と美香子の)父親は思いきりキレていた。

加えて、三田尻さんの息子さんが行方不明になった原因はこうすけが奈美に手出しをしていたと言うことが発覚したので、(多香子と美香子の)父親はより強烈な声でこうすけに当たり散らした。

「三田尻さんの息子さんが行方不明になっていることについてはケーサツに捜索願いが出されているのでケーサツにお任せするとしておいて、美香子に強烈な暴力を加えたことと職場の女子職員さんに手出しをしていたことについては許すことはできない!!小松崎の家の婿養子のくせして何じゃ言っているのだ!!甘ったれやがって!!こうすけ!!ワシの声が聞こえないのか!!」
「おとーさんやめて!!こうすけさんは、奈美さんにもう2度と近づきませんと公正証書に残してサインしたのよ…こうすけさんは心から反省しているのよ…おとーさん…」

(多香子と美香子の)母親は、ひと呼吸をおいてからこうすけをたしなめていた。

「こうすけさん…三田尻さんの息子さんのことについてはケーサツの人たちにお任せをしておいて…こうすけさんは奈美さんに接近していったことと美香子に強烈な暴力を加えたことを反省して、職場のみなさまには『ご迷惑をおかけしました』と一言あやまってちょうだい…『ご迷惑をおかけしました』と一言あやまればまた働かせてもらえるから…」

(多香子と美香子の)母親は大きくため息をついてから『もういいでしょ…ごはんを食べましょ…』と言うた。

美香子は、大きめの土鍋をテーブルの上に置かれているカセットコンロの上に置いたあと、こんぶだしのおつゆが入っているお鍋の中にお肉とお野菜をたくさん入れていた。

(多香子と美香子の)父親は、ものすごくあつかましい声で言うた。

「多香子はどこへ行った!?」
「えっ?」
「多香子はどこへ行ったと聞いているのだ!!」
「高校時代のお友達たちに会っていると言うてたわ。」
「多香子はふざけとんか!!親の期待に答えずに何を考えているのだ!!(ブツブツブツブツ…)」

多香子の父親は、急に席を立って『のみに行ってくる!!』と言うて外へ出て行った。

「おとーさん!!ごはんはどうするのよ!!」
「外へのみに行くと行っているだろ!!」
「あなた!!」
「やかましい!!チャラむこがいる部屋にいたらメシがまずくなるわ!!オドレ虫ケラ以下のチャラ男!!オドレのツラをみていたらヘドが出るわ!!」

父親は強烈な声で怒鳴った後、母親の制止を振り切って家を出て行った。

こうすけは、義父からチャラむことなじられたことに対して、より強烈な怒りをつのらせていた。

そして翌朝のことであった。

多香子は、だらしない服装で家に帰宅した。

黒のチューブトップの上からピンクのラメラメのチョッキとヒョウ柄のミニスカートでヘソだしで網目のストッキングをはいて、どぎつい色のメイクをつけて、髪の毛は茶髪…50前の女には見えない格好をしていたので、近所の奥さまたちから変な目で見られていた。

多香子がチャラい服装のままで帰宅をしたので、母親がびっくりした。

「多香子!!あんたなに考えて行動をしているのかしら!?何なのですかそのだらしない服装は!!」
「やかましいわね!!アタシがどんな服を着ていたっていいじゃないのよ!!いちいちいちいちいちいちいちいちいちいちいちいちカンショーしてこないでよ!!」

父親は、多香子の言葉にキレていたので強烈な声で多香子を怒鳴りつけていた。

「多香子!!オドレはふざけとんか!!ゆうべ一晩中どこで何をしていたのだ!!親の期待に答えずに何を考えているのだ!!」
「やかましいわね!!親の期待に答えずに何を考えているのだって…あんたは何に期待しているのよボケオヤジ!!」
「ボケオヤジだと…多香子!!」
「やかましいわねボケジジイ!!ボケジジイと虫ケラ以下のチャラ男のバカむこがいる家に帰ってくるのじゃなかったわよ!!」
「何だと!!もういっぺん言ってみろ!!」

この時であった。

こうすけが多香子に小皿を投げつけたので、多香子は思いきりキレていた。

「何なのよあんたは一体!!」
「よくも虫ケラ以下のチャラむこと言ったな!!」
「やかましいわね!!虫ケラ以下を虫ケラ以下と言うてどこが悪いのかしら!!文句があるのだったらかかってきなさいよ!!」
「ワーッ!!ワーッ!!」

こうすけと多香子は、激しい声で怒鳴りながらドカバキの大ゲンカを起こしていた。

耐えきれなくなってしまった美香子は、手当て次第に物を投げつけて暴れていた。

もうダメ…

もうダメ…

どうしてうちは…

家族が仲良く暮らして行くことができないのかしら…

もうダメ…

耐えられない…
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