【女の事件】いらくさの家
第13話
三田尻さんの息子さんが行方不明になってから10日後のことであった。

こうすけは、鶴見小野の銀行の支店での勤務は続けて行くことはできたが、従業員さんたちは『虫ケラ以下のバカこうすけを解雇しないのであれば会社と徹底的に闘う!!』と激怒していたので、こうすけはものすごく苦しい立場に置かれていた。

こうすけの仕事は、従業員さんたちからのパシリばかりであった。

『弁当買ってきてくれ。』『家内から買い出しを頼まれた…』…

…など、従業員さんたちの要求に答えるだけであったので、こうすけは職場に対してより激しいうらみをつのらせていた。

それと同時に奈美にストーカーをするようになった。

こうすけは、奈美が職場から出て帰宅するまでの間の距離を歩いていた。

しかし、家の前でこうすけと奈美は大ゲンカになってしまった。

「ちょっと、どうしてアタシに会いに来たりしたのよ!!」
「どうしてって…ぼくは奈美のことが好きだから、守りたいのだよぉ…」
「帰ってよ!!」
「イヤだ!!」

奈美は、突き放すような声でこうすけに言った後、家の中に駆け込んで行った。

しかし、こうすけが奈美にストーカーをしていた現場を多香子の家の近所の人がみていた。

近所の人は、多香子の母親にこうすけがストーカーをしていたことを告げ口した上に、ケーサツにも連絡をした。

その結果、こうすけはケーサツにつき出されてしまった。

こうすけは、ケーサツから警告を受けただけですんだが、(多香子と美香子の)父親はこうすけが奈美にストーカーをしていたので、許さないと激怒していた。

11月4日の夕方5時過ぎのことであった。

(多香子と美香子の)父親は、こうすけの背中をかたい木の棒で強烈な力を込めて殴った後、ものすごく大きな声でこうすけをバトウした。

「こうすけ!!ケーサツから警告を受けたことでワシらの家がどうなっているのか分かっているのか!!奈美さんに手出しをしませんと約束しておきながら、ドタワケ!!」
「小松崎の家の婿養子である以上は、義父さまの言うことにしたがいなさい!!」

(多香子と美香子の)両親は、強烈な声でこうすけを怒鳴りつけていた。

こうすけは、(多香子と美香子の)両親からより強烈な声で怒鳴られたので心がボロボロに傷ついていた。

その後、父親はかたい木の棒でこうすけを殴り付けたり、電話機で頭をシツヨウに殴るなどして暴行を加えていた。

『小松崎の家の婿として恥ずかしくないのですか!!』『婿養子のくせしてなまいきだ!!』『どうして美香子のことを大事にしようとしないのかしら!!』…

他にも、こうすけは婿養子だと言うことを理由に(多香子と美香子の)両親から人格を否定された上に、義姉の多香子からもいびつな暴行を加えられた。

このままでは小松崎の家に殺されてしまう…

そのように思ったこうすけは、このあとより過激な行動に出てしまった。

それから五時間後の深夜11時過ぎのことであった。

場所は、野毛山公園の森林にて…

「ギャァァァァァァァァァ!!やめて!!助けて!!ギャァァァァァァァァァ!!」

奈美は、こうすけに森林に無理やり連れて行かれた。

奈美は、こうすけから着ていた衣服をズタズタに切り裂かれてブラジャーを引きちぎられて、ボロボロになるまで犯された後、殺されてしまった。

翌朝6時過ぎのことであった。

(ピロピロピロピロ…ピロピロピロピロ…)

家の居間に置かれているハウディ(プッシュホン)の着信音がけたたましく鳴っていたので、美香子が応対に出た。

「はい小松崎です…小松崎はうちですが…主人がジジョウチョウシュ…ジジョウチョウシュ…ええ!!主人がケーサツで事情聴取を受けているって!!」

こうすけは、奈美をレイプして死なせてしまった事件の重要参考人として警察署で事情聴取のために拘束されていることを聞いたので、その場で倒れてしまった。

「美香子…美香子…美香子!!」

母親は、必死になって美香子を呼んでいたが、美香子は倒れてしまった後、口から大量にトシャ物を吐き出した。

「あなた!!美香子が倒れてしまったわ!!早く!!」
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