【女の事件】いらくさの家
第30話
さて、東ヶ丘にある多香子の実家では家族が空中分解を起こしてしまう危機にひんしていたので、きわめて危険な状態におちいっていた。

多香子の父親が、9月に入った頃に母親に『仕事を探してくる。』と言うて家を出た後に京急日ノ出町駅の前に停車している貸し切りバス会社のバスに乗り込んで遠出をしていた。

多香子の父親は、最初のうちは意気込んで仕事を探しに行っていた。

けれど、結局三日ボーズに終わってしまった。

そのあと、友人からの『ごはん食べに行こうや。』と誘われたあげくに、平塚競輪場へ遊びに行くようになっていた。

この最近であったが、多香子の父親はチャリ(競輪)でつきまくっていたので、家に帰って来た時には身体がつやつやとしていた。

この時、母親は父親が不審に思うようになっていた。

おかしい…

うちのひとはこの最近、何もかもがおかしくなってしまったみたいだわ…

9月10日頃のことであった。

多香子の父親は、さらにチャリでつきまくっていたので、心が大きく傷ついていた。

多香子の父親は、9月10日頃から吉原のソープ店の若い女のコにのめり込んでいたので、母親とリコンすることを考えるようになっていた。

話はそれから10日後の9月20日頃のことであった。

場所は、東京・吉原のソープ店の個室にて…

多香子の父親は、ベッドの上でソープの女のコと生まれたままの姿でいちゃついていた。

「ああ…おじさま…キスでいっぱいむさぼってぇ…ふくよか過ぎる乳房をいっぱいむさぼってぇ…」

それから120分後のことであった。

個室の中にあります浴室にて…

多香子の父親は、ソープの女のコとお話をしていた。

「ねえおじさまぁ。」
「何かな?」
「ねえ、あの話どうなったの?」
「あの話?」
「奥さんと別れると言う話よ。」
「ああ、そうだったそうだった。」
「なんなのよぅ…もう忘れてしまったのぉ?」
「そんなことはないよ…きちんとおぼえているよ。」
「奥さんはどう言っているのよ?」
「どうって?」
「リコンに応じてると言っているのかどうかよ。」
「ああ…言っているよ。」

多香子の父親は、アイマイな声でソープの女のコに言ったので、ソープの女のコはなおも煮え切らない表情になっていた。

「おじさまぁ。」
「ああ…ごめん…女房を説得しているのはしているのだよ…説得に時間がかかっているだけなのだよ…」
「本当にぃ?」
「本当だよ。」
「それじゃ、あと一押しと言うところまで来たと言うこと?」
「一押しと言えば一押しなんだよ…ただね…その後のことで問題になっているのだよ…」
「その後のことって…」
「子供の問題…かなぁ…」
「子供さんって…おじさまの子供さんっていくつなのよ!?」
「いくつって…50前だよ。」
「だったらいいじゃないのよ!!」
「だけどね…50前の子供が自立しないので困っているのだよ…結婚しない、自立しないので…」
「何なのよ!!アタシ待てないもん!!」
「ああ、分かった分かった…分かったからそんなに怒らないでよぅ…子供のことについては力づくで言うことを聞かせるから…」
「本当にぃ?」
「本当だよ。」
「…と言うよりも、そんなめんどうくさいことしない方がいいんじゃないのぉ?」
「気持ちはわかるけどぉ…」
「それじゃ、おじさまはアタシのことは二の次だと言うことなの?」
「ああ…分かった…分かった…それだったら…強引にリコンに踏み切るから…それでいいだろ…」
「うれしい…おじさまぁ…だーいすきよ…」

多香子の父親は、ソープの女のコにアイマイな返事をした後、浴槽の中でイチャイチャと抱き合っていた。

それから何日か後のことであった。

多香子の父親はソープの女のコにのめり込んで、深みにはまってしまった。

多香子の母親は、時の経過とともにガマンの限度を大きく超えていた。

そしていよいよ、ドラマはクライマックスへと向かって行く。
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