極道の義娘は失声症

「みーなーとー！」
ギュッと帝に抱き付かれる
私は困ったように笑いつつ帝の頭を撫でた
まだ十六の私は十九もうすぐ二十歳になる帝の誕生日プレゼントを考えている
（服とか？うーん…）
「湊，キスしよう？」
「ー！？」
首を振るが
その前にキスされ何も言えない
「～～！」
「ハハ！」
ケタケタと笑う帝に私は少し拗ねて
ーもう！こうする！
「何じゃ？！」
帝にキスしようとして止めて舌を少し出す
「～～～！此奴」
料理が終わり，運び終える
その時を狙い帝に担がれた
「ーーーー………！？」
そのまま帝の膝の上に乗せられる
何だ何だと戸惑っていると首にキスされた
「～～！？」
「真っ赤じゃな」
ケタケタと笑い帝は擦り寄ってくる
（もぅ！酷いです）
「ーぁー」
「んー？」
「ー…」
そっぽを向いて歩き出す
そして
帝の方に歩きギュっと抱きついた
「～～」
「ふふ，面白いのぉ」
よしよしと私の頭を撫でる
その手は暖かくて
守りたい
素直に思った
この人も無理をする
だから
気を付けないといけないのだ
「ー…」
もし私が言葉を話せたら
言葉をたくさん言えたなら
この苦しみから逃げられるの？
「これ，湊！」
「ー！」
我にかえると帝がむすっとしている
私は困ったように離れたら
逆に引き寄せられる
「ー！？」
「話せたらと思ったか？」
ピクンと肩が揺れる
私は黙り込み静かに帝の心拍を聞く
「儂は湊だから良えんじゃ」
よしよしと撫でられる
その度，泣きそうになった
「～～ッ」
「泣くなけぇ」
「ーっ」
コクコクと頷く
私は泣かない
帝はだから私が泣かないように見てくれている
「儂は何度でも言う」
「お前が良い」
「ーっ！」
また頷く
ー優しいね，帝は
「お前だけじゃい」
と
そっぽを向く帝
とても可愛い
よしよしと頭を撫でた
その時
何か気配を感じる
そちらを見てじっと睨む
「ー…」
「どうした？」
私は首を振り微笑む
帝たちは絶対守ってみせる
そう決めた
例えー…
私が消えても