極道の義娘は失声症
「中々起きんのぅ」
「ー…?」
目を覚ますと帝さんの顔が近い
真っ赤になりそっぽを向くと同時に玲華さんがまだ寝ていた
「真っ赤になって本当に可愛いのぅ」
ケタケタと笑う帝さん
私はむすっとする
「怒るな怒るな」
(もぅ,何なんですか…)
私は起きて着物を選ぶ
その着物を持って外に出ると帝さんが付いてきた
ー着替えるので
そうノートを見せる
だが
「入れ墨が見たいんじゃけぇ」
と言って付いて来るのを止め無い
私はぅ…となりつつも着物に着替える
背中の蛇と龍を見た帝さんは微笑み
「儂のも入れて欲しいのぅ」
「ー!?」
背中に唇の柔らかな感触
私は慌てて着物を着る
「本気で取りに行くけぇ」
私の両手を掴み引き寄せ言った言葉
「ー!?」
ー失礼します!
そうノートに書いて走り去る
胸がドキドキした
(何故!?!?)
「湊!おはよう!」
玲華さんに抱き締められた
ーおはようございます
私は微笑み一礼する
その後は
「あら?起きてたのね馬鹿」
「何じゃ?いけんかのぉ若頭様?」
私を挟んで話す二人
二人はまた仁さんに叱られつつも正座する
私は困ったように微笑み朝を過ごす
食器を洗い冷蔵庫を開けた
(昨日作った漬物できてるかな?)
昨日作った漬物の様子を見る
(よく出来てる!)
私は嬉しそうに仕舞い廊下に出る
歩いていると引き込まれた
ートン
私の右に腕がある
その腕の主は帝さん
(やっぱりですか………)
私はサッと避けようとすると手を掴まれる
(ー!?)
「やっぱり儂のも入れてけぇ?」
その目は何処か悲しそうで
ー入れ墨ですか?
そう聞いてしまった
「儂の見るか?」
その言葉を聞いて頷く
帝さんの背中には狼が
ーかっこいいです!私はどこに入れましょうか
ニコニコしていると帝さんはキョトンとしている
「良いのけぇ?儂の女になるんか?」
ーん?………女?女!?
じりじりと近づく帝さん
後ろに下がるが背中に冷たい感触
(壁!?)
「のぅ,湊」
「~~!?」
ドサっと押し倒される
背中には帝さんの手があり痛くはなかった
「何もせんと,襲われるぞ?」
キスをされる
(~~!?)
固まっていると帝さんに顎を抑えられ口が開く
(顎が抑えられて閉じれな………!?)
口の中に入って来る舌に私は涙目になる
(真っ白になるッ)
もがいてもガッチリ抱きこまれているから逃げられない
「ーーーー!?ー!」
力が抜け帝さんに寄りかかる
「どうじゃ?」
「ーっ」
頷くと帝さんは嬉しそうに微笑む
「幸せにするけぇ」
そう言って私に優しいキスをした
何が擽ったくて抱き付くと帝さんは真っ赤になる
(まだ十六の子が何という事をしているんじゃぁ)
「ー?」
二人で玲華さんの所に行く
「儂ら結ばれたけぇ」
堂々と宣言する帝さん
真っ赤に俯く私
「「………」」
仁さんと玲華さんは固まっている
「ー?」
ー大丈夫ですか?
二人の所に行くと
二人に抱き締められた
「「もうか!?早く無いか!?」」
と言われる
「湊を汚したわね!この馬鹿!」
「何じゃと!?まだじゃい!」
「キー!この馬鹿!」
玲華さんは私を抱き締めたまま帝さんと喧嘩している
私は仁さんと溜息を吐きながら見ていた
すると
仁さんが私の頭を撫でる
「おめでとうな」
「ー!」
私は頷き微笑んだ
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