後輩くんは溺愛を隠せない
のぼせてクラクラしているのに、私の頭はさっきの事でいっぱいだ。
ーー夏樹くんが好き。
そう自覚すると、今までどんな顔でどんな風に話していたのか分からなくなる。
どうしよう......、部屋に戻ったら2人きり。嬉しいけれど、心臓が壊れそうだ。
そんな事を考えていた時、突然ヒヤッとしたものが頬に触れた。
「ひゃあっ!」
びっくりして、変な声が出る。
「紗知先輩、こんな所でどうしたんですか?」
私の前に立っていたのは夏樹くんだった。
近づいてきたのに全然気づかなかった。
のぼせて火照った顔がさらに暑くなる。
平常心、平常心ーー。
必死に抑えようとしても、口から心臓が飛び出そうなほど全身がドキドキしていた。
落ち着かせるために深く深呼吸を繰り返す。
そんな私を、夏樹くんは不思議そうに見ていた。
聞かれても返事に困るため、誤魔化すように私の頬に触れた冷たい物の正体を見た。
「な、何それ?」
白い液体の入った瓶が夏樹くんの手に握られている。