婚約破棄するはずが冷徹御曹司から溺愛宣言されました
 品がある大人の男性がデートする場所といえば、経験値の浅い私が思い浮かぶのはひとつしかない。

「映画館に行きたいです。それからどこか素敵な場所で食事をしたいです」

 無難なデートプランだよね。これなら相手を困らせたりしないはず。

「近くの映画館に行った後食事をして、その後はその時にまた考えるか。茉莉子が好きそうな場所、調べておく」

「お任せしていいんですか?」

「茉莉子が決めたいなら任せるけど」

「自分で行きたいと言っておきながら全然詳しくないので、できればお願いしたいです」

「ん、了解」

 心なしか声音が穏やかになったように感じた。

 新さんも明日を楽しみにしていたら嬉しいな。

 それからぽつりぽつりと会話をして場を繋ぎ、仕事のメールを確認してから寝るという新さんをリビングに残して、一足先に寝室へ向かった。

 八畳ほどの床は重厚で高級感があるウォールナット材を使用してあり、壁紙は白色とくすんだ青色で大人な雰囲気がある。

 ふたりが余裕で寝られる大きなブラウンのベッドは、ヘッドレストがとても高くあまり目にしないデザインで、どこか有名なメーカーのものだと思わせる。
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