【演歌歌謡曲】佐伯達男のこころ歌
井口(いのくち)発20時20分
月照(つきあかり)もない

星のささやきもない

20時の井口(いのくち)港にて

一人

最後の

高速船(ふね)を待っている

人生の迷路に迷ってしまい

あてもなく一人放浪(さすら)う

この先どこへ行こうか

三原からどっちへ向かおうか

そう考えている間に

徒(いたずら)に時間(とき)は過ぎてく


最後の高速船(ふね)に

一人乗り込み

窓ぎわで

ため息を吐く

20時20分

静かに高速船(ふね)は出てゆく

向かいの島の

灯台の灯が

悲しい唄を

きざむよ

俺の人生

何だった

ほとんど無意味に

等しいやないか

そう考えている間に

徒(いたずら)に時間(とき)は過ぎてく


最後の高速船(ふね)は

出たのだが

俺の気持ちは

沈んだまま

一人ぼっちの最終便

窓の外はやみの海

人生の迷路から抜け出せず

あてもなく一人放浪(さすら)う

この先どこへ行こうか

北それとも南か

そう考えている間に

徒(いたずら)に時間(とき)は過ぎてく
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