【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「ううん。お父さんひとりで動くのもしんどいってメッセージ読んだよ。だから私のことはいいから、お父さんのそばにいてあげてよ」


「手術は無事に終わったんだけどねぇ……。来週末は帰るからね」


「落ち着いたらでいいよ、お母さん」


「今すぐ空の顔を見たいとこだけど……すぐには行けそうにないの。葵くんから空は無事って聞いてね。ちょっとだけ安心したわ」



彼がついててくれてよかった、とお母さんの安堵した声がスマホ越しから伝わってくる。



「あっ。お母さん……!そういえば、学校から電話って……きたかな?」



あの手紙のことを連絡するって八雲先生が言っていたから。



「え、電話?そうねー。あぁ、お父さん宛に着ていたかもしれないわね」



そっか……お父さんの方にいったんだ。


ただでさえ手術を終えたばかりなのに、あんなひどいことを耳に入れたくはなかったけれど……。

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