【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
「えっ!もうかなり甘いよ!?海ちゃんまさかまだ足すの!?」
激甘すぎ。
虫歯になるでしょ、これは……!!
「あー、そうだ。空にお願いがあるの」
オーブンを余熱したところで、海ちゃんがこっちへ向いた。
「な、なに?まだ足りないの?もうこれ以上は、砂糖足さないよ?」
調理台の一番奥へ砂糖へ戻した。
これなら海ちゃんの場所からは届かない。
「違うよ。わたし、もっと空のこと知りたいの」
「……私のこと?」
海ちゃんがボウルに入った生地を混ぜながら言う。
「そ。まだ、友達になってお互いのことも深くは知らないじゃん?」
高校に入学して1ヶ月と少し。
海ちゃんのこと、私ももっと知りたいと思っていた。