【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「本当はもっと早く話すつもりだったんだけど、今俺は護衛だから。万が一ってことも考えて誰にも話してないから風谷以外は知らない」



そうだよね。


護衛として来てくれているけれど、風谷くんにも前に言われたように、葵くんにも危険なことが起きるかもしれないから……。



「ごめんね……。ここに来てもらって、美雨ちゃんにまで、寂しい思いさせちゃってる……」


「だから謝るなって。これは美雨のためでもあるし」


「美雨ちゃんのため?」



問いかけたけれど、葵くんは眉を下げて曖昧に笑っただけだった。



……そして、



「さっきの話だけど。雨野は俺に彼女がいたら嫌ってこと?」



ドキッ……。

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