【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
嫌って……わけじゃない、と思おうとしたけれど。
もやもやして、気になって仕方なくて……。
「やだよ……そう思ったら、葵くんはやっぱり困る……?」
本当に、私はなにを言ってるんだろう。
けれど……自分の中で芽生えたこの気持ちはきっともう誤魔化せそうにない。
「頼むから、そういう顔すんのやめてくんない?」
「えっ?」
目が合った葵くんは私の髪にそっと触れる。
そしてその綺麗な瞳は、真っ直ぐに私を見て……、
「可愛すぎて、本気でやばい」
「……っ、」
そんな甘い言葉に、顔が真っ赤に染まってるって自分でわかるくらいに熱い。
だけど、そう言った葵くんまで照れているような表情をしていて……。
「って……思う奴がいるかもしれないだろってこと」
「え?まさか……っ。いないよそんな人……わ、私……もう寝るね!ホントにごめんね。勘違いしちゃって……」