【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?
反射的に顔だけを半分後ろに反らして見ると、葵くんとの距離が近いことにビックリしてさらに固まった。
「感じる?」
「へ………!?」
身を寄せてくる葵くんの身体も、私の耳元で囁く薄い唇も全部が近くて、じわじわと背中が熱くなる。
感じる……って、なにを!?
「だから、視線」
「っ、し……視線?い、いや。今は別に見られてる気はしない……かな?」
「ふーん」
葵くんは普段ならおやすみモードのはず。
今は国語の授業じゃないのに、葵くんが起きているなんて。
「あ、葵くん……おやすみモードじゃないの?」