【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?



梅澤先生の目を盗み見て、ヒソヒソ声を落としながら葵くんへと振り返った。



「前の席の奴が気になって寝れないから」



イタズラっぽく笑った葵くんの瞳。


その途端、ドキッ……と正直に反応する鼓動。


違う違う!!


今のは、こんな風に笑う葵くんの顔を初めて見たからかもしれないからで……。



「それに、今までが“ 寝たふり ”だったかもよ?」


「えっ!?嘘でしょ……!?」



思わず声に出てしまった。


静かな教室に私の大きな声が響き渡る。


し、しまった……!!

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