【完】ねぇ、もっと俺に甘えてよ?


「もしかして葵くんあまり寝てないの……?」



ぱっと振り返って雨野が俺の顔を覗き込む。



「……あれ?葵くん顔赤くない?もしかして風邪!?」



ピタッと自分の手のひらで俺の頬を包んだ。


……不意打ちとか聞いてない。



「……なにしてんだよ」


「私、こう見えて保健委員だもん!」



……そういうことじゃないんだけど。



「んーー、熱はなさそうだね!」



……人の気も知らないくせに。



「雨野のせいでしょ?」


「私……?ん?」



どうやら雨野は全然わかってないらしい。


あー、もう。


護衛なのに調子狂ってどうすんだよ、俺。

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