冷酷王子は子リス姫を愛でる
気が合ってしまい、予定より長く食事をしてしまった。



終始緊張していたキャシーは、ほとんど話さずに、静かに食事をしていて。



「アンディ、歳は何歳になる?」

「19だが。サネルは?」

「21になったばかりだ。連れて来ている妻が、寒さに負けて引きこもってしまってな。本来ならば挨拶をさせたかったが…難しいヤツなのだ」

「はははっ、滞在中にお目にかかれることを祈っている」



『アンディ』『サネル』と、親しい呼び方で話をした。



実に有意義な時間。



一緒に酒でも飲みたいな。



「滞在中はなにを?」

「うちで育てているマメを輸入するとか。それと、父がシュナウトの王子を見習えと旅に出されてしまったわけだ」

「見習うところなど、どこにもないと思うが…」

「時間があるなら、どこかに案内してはくれないか?」

「では、時間を作ろう。なにか不都合があれば、遠慮なく言ってくれて構わない。できることならさせてもらう」



食事が終わると、キャシーはものすごくホッとした顔をしていた。



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