【女の事件】十三日の金曜日
第26話
「イヤァァァァ!!助けてお願い…赤ちゃんがいるのよやめて!!イヤァァァァ!!」

深夜11時過ぎのことであった。

高瀬町下麻(香川県三豊市)にある森林公園で恐ろしい事件が発生した。

パート帰りの30代の女性が黒のジャンパー姿の男に連れ込まれた後、誰もいないところでボロボロに傷つくまで犯されて亡くなった。

事件発生から2時間後に、高速道路のガード下でおびえながらうずくまっていたあきよしが巡回中の警察官に発見されて、保護された。

あきよしは、警察署に保護された後に警察官に『レイプ殺人事件が発生した時、オレは違う場所にいたのだよ!!』と言うていた。

レイプ殺人事件については、容疑者の身元を割り出す手がかりがなかったので、引き続き捜査は継続となった。

あきよしは、おとがめなしの無罪ホウメンでシャクホウとなって、いつも通りに出勤できた。

しかし、この日たけのりたちは職場に病気だとうその電話をして休んでいたので、あきよしが全部段ボール箱を折ることになった。

10時前頃のことであった。

社長さんがあきよしのもとへ来て、作業のシンチョク状況を聞いていた。

あきよしは、たけのりたちが集団で休んでいるので困っているから人を入れてほしいと社長さんにお願いをしたが、社長さんはもうしわけない表情であきよしに言うた。

「あきよしさん…あきよしさんの気持ちはよぉわかるけれども、うちの工場は不景気なので人を雇いたくても雇えないのだよ…人手がたりへんので人を雇いたくても…お給料の問題などがあるけん…」
「お金借りることはでけんのですか?」
「借りたいよ…信金に行ってユウシ申し込んだのだけど、あと数ヶ月かかるのだよ…他にもユウシを申し込んではる会社がよぉけあって、審査待ちになってはるのだよ…」
「ユウシが下りたらどーにかするって、口先だけで言わないで実行に移してくださいよ!!それと、たけのりのドタワケをどーにかせいよ!!」
「すまん…あきよしさんの気持ちはよぉわかるけれども…かれらは気持ちが疲れているのだよ…こらえてやってくれるか?」
「どうして許さないといけないのですか!?」
「だから、同じ働く仲間として許してやってと言うことなんや…そななことよりも君は入りたてなんだからしっかりと仕事を覚えなさい!!分かっとんやったら返事せえよ強姦魔!!」
「強姦魔だと!!」
「くやしかったらまじめに働いて見返したらどーかな…君はえらそうに言える身分じゃないだろ…分かっとんやったら返事せえよ…不起訴魔!!」

あきよしは、職場でのきついイジメに遭いつづけていたので、怒りが爆発する一歩手前に追い込まれていた。

その頃でありました。

たけのりたちは、豊岡町長田の国道11号線沿いにありますパチンコ店にいて、開店時間からずっとパチスロ遊びに夢中になっていた。

「行けぇ!!行けぇ!!ああ!!外れた!!」

この時、球が出なくなっていたのでたけのりのとなりに座っている従業員の男性に1000円貸してと言うた。

「たけのり。」
「なんや。」
「すまん…1000円貸してーな。」
「1000円貸せって…」
「倍にして返すからこの通り…」
「(ちっ…)…わかったよ…」

たけのりは、しぶしぶとした表情でとなりに座っている男性従業員に1000円札を渡した。

「ありがとね…」

たけのりが座っている席から2つ先の席に座っている男性従業員は、なんだかなぁと言う表情でこう言うた。

「おい。」
「なんだよぅ…」
「いいのかよ…」
「せやから何がや…」
「あきよしにきつい暴力をふるいすぎたんとちゃうか?」
「アホ!!そなな心配してどないすんねん!!せっかくパチンコに来たのだから、気持ちよく遊べよ!!ドアホ!!」
「こななところ社長に見られたら…」
「心配するな…社長は違う場所でパチンコしてはるから…オレたちが行く店には来ないさ。」
「しかしだな…」
「あのな…あきよしはゆうべ高瀬の森林公園でレイプ殺人事件を犯してケーサツに捕まったのに、おとがめなしで無罪ホウメンシャクホウなんだよぉ…ケーサツが罰しないのであればオレたちであきよしを罰するしかねえのだよ!!」
「そうそう…そういうこと…オレたちであきよしを罰するしかねえのだよ…あきよしは間違いないなく給料日には0円になっていると思うよ。」
「強姦魔に払う給料なんて1円もねーのだよ。」
「そうだよな…」
「そうそう…」

たけのりたちは、あきよしをグロウするだけグロウし続けていたので、知らないうちに心が汚れていると言うことに気がついていなかった。

そして、5月31日のお給料日にあきよしのお給料が0円になっていたので、あきよし『ワーーーーーーーーーーーッ!!』と叫んで職場から出ていった。

たけのりたちは、あきよしが職場から出ていってしまったと聞いたので勝ったと言いましてニヤニヤとしていた。

しかし、その日の夜9時過ぎに取り返しのつかない恐ろしい事件が発生した。

たけのりたちは、あきよしをやめさせることができたので、川之江駅付近にある居酒屋へ行って、戦勝祝いの飲み会をしていた。

同じ頃であった。

まさのりの家にて…

家の食卓には、ふきこが作った晩ごはんが並べられていたが、たけのりが家に帰っていないのでどうしたのだろうかと想って家族が心配になっていた。

まさのりは『晩ごはんいらん!!』と怒って、外へのみに行ったので、食卓にいたのはふきこと義母だけであった。

悲劇はそんな中で発生した。

(ジリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリン!!)

深夜11時40分頃のことであった。

黒電話が鳴っていたので、ふきこが電話に出た。

「上尾でございます…もしもし…ゆかこちゃん…」

電話はゆかこからであった。

「今、高瀬の警察署にいるの…ふきこさん…くすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすん…」
「ゆかこちゃん…どうしたの!?」
「おばさまに伝えて…くすんくすんくすんくすん…あきよしさん…レイプ殺人事件を起こしてしまった…くすんくすんくすんくすん…やくざの婚約者の女性を犯して死なせてしまった…くすんくすんくすんくすん…あきよしさん…やくざに拳銃で撃たれて…殺されてしまった…くすんくすんくすんくすん…家に帰れない…家にやくざが集団で押し掛けて来たから…怖くなって…くすんくすんくすんくすん…くすんくすんくすんくすん…」
「もしもし…ゆかこちゃん…ゆかこちゃん!!」

(ガチャ…)

電話はそこで切れてしまった。

(ジリリリリリリリリン!!ジリリリリリリリリン!!)

間を置かずに、電話のベルが再び鳴り響いていたので、ふきこは電話に出てみた。

「上尾でございます…もしもし…四国中央警察署…四国中央警察署がうちに何のご用なのでしょうか?」

場所は、四国中央警察署にて…

たけのりたちは、川之江駅の近くにある居酒屋でムセンインショクをしていた上に、居合わせた酔っぱらいの男性のグループと店内で乱闘さわぎを起こしてしまった。

たけのりたちは、硬い物で相手の男3人の頭を殴って殺してしまったので、殺人罪でケーサツに逮捕された。

「もしもし…四国中央警察署の刑事課です…ご家族の方にお伝えください…先ほど、川之江駅の近くにあります居酒屋で乱闘事件が発生しました…乱闘事件で新たに死者がひとり出たので、上尾たけのりたちのグループを殺人の容疑で再逮捕しました。」
「殺人の容疑で逮捕…分かりました。」

義母は、たけのりが殺人罪で逮捕されたことを聞いたので、ものすごいケンマクでふきこに怒った。

「ふきこさん!!ふきこさんがえらそうなふるまいをしていたからたけのりがケーサツに逮捕されたのよ!!なんとか言いなさいよ!!」

ふきこは、義母からより強烈な文言で怒鳴り付けられたので、生きる力を完全に喪って(うしなって)しまった。

生きる力を喪った(うしなった)ふきこは、浴室でリスカをして、命を絶ってしまった。

こんなことになるのであれば、結婚なんかするのじゃなかった…

こんなことになるのであれば…

女ひとりで生きて行く方がよかった…

もうイヤ…

もうイヤ…

もうイヤ…
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