愛プチ
「お、お前、、!
何、普通に、帰ってきてんだよ!」

スーパーから帰ってきた私をリビングのソファで出迎えてくれたのは、何故かどこか苦しそうな美月君だった。

そんな彼をスルーして台所に買ってきた食材を運び込む。

色々買ってきたから冷蔵庫パンパンになっちゃうかも。


「おい、話きけよ!俺は、お前の、こと、認めて、ない、、」

そう言って台所にずかずかと入ってきた彼が、私に突然倒れこむ。


いや、え?

えええええええ?

何この状況何?!

急にハグ?!
急にロマンチック展開?!

と思ったのもつかの間。


私の耳元で一言。
じんどい゛。
と彼が本当にしんどそうにつぶやいた。

心なしか持たれかかってきている体がすごく熱いような。

そしてパタリ喋らなくなり、ピクリとも動かなくなった。


「ちょ、ちょっとちょっと!大丈夫ですか?!」

問いかけるが返事はない。

少し鼻声で咳をしていたところをみると、風邪っぽいな、、。

どうしよう、土曜日の夕方にここらへんでやってる病院なんてないし、、。

とりあえず、部屋まで運んであげたいけど勝手に部屋とか入ったら絶対めちゃくちゃ怒るし本格的に追い出されそう。。

しょうがないので自分の部屋のベッドに連れていく。

二階までこの結構な重量の男の子を果たして連れて行けるのか、、。

「いつもの階段が果てしなく高い富士山にみえる、、。」

いや、富士山は言い過ぎたな、、。
気合だ気合。

一段ずつゆっくりと登り、私のベッドに横にさせる。

「し、しんどい、、27歳の普段運動しない身にはキツ過ぎる、、。」

老いが身に染みる、、。

がくがくと震える足をおさえつつ、またすぐに下へ降り、リビングに戻る。


確か、あの引き出しに体温計と薬があったはず、、。
あとは、自分用に買ってきたスポーツ飲料だけど、あんなにしんどそうな姿をみてしまったらあげざるおえない。。

色々と準備をして二階に向かい、苦しそうに眠る美月君の枕元にそれらを置いた。

お粥も一応作ったけど、私が作ったって言ったら食べなさそうな気がする。

いや、絶対食べない。
絶対絶対食べないね。

「・・美月君、ここにお兄さんが作ったお粥とかポカリとか置いときますから。
食べて水分取ってちゃんと薬飲んで下さいね。」

聞いているのかいないのかは分からないが、とりあえず苦しそうに薄目をあけたのでまあ起きてはいるということだろう。

あとは個人の判断に任せよう。

ブスと罵ってきた相手にお粥を食べさせてあげるほど私の心は広くはない。


看病という看病はしてないが、色々とお粥を作ったり世話をやいているうちにもう日はどっぷりと暮れていた。


人の世話に手いっぱいで自分もしんどかったという事を忘れていた。

なんか、、私ももう動けないレベルでしんどくなってきたんですけど、、。


でも私のベッドは、今は美月君に使ってもらってるし、、、。

ソファでいいや、とりあえず横になりたい。

残るわずかな気力を振り絞り小さなソファに丸まるように横たわった。
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