会長様の秘蜜な溺愛




「唇。傷になる」

「あ…、の…っ」


「…ったく、そんな怯えなくていい。

まだ何も言ってないだろ?」



目と鼻の先の眉目秀麗な顔立ちが

わたしに対し、唇の端を上げて柔らかい笑みを見せる。

その微笑みがあまりにも綺麗で、やさしくて。

冷淡だった声色が、甘さだけを魅せるものへと変わっていた。



「泣かせたいわけじゃないから」



…熱い。

顔が、身体が、熱い。


< 37 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop