会長様の秘蜜な溺愛

▼ヒミツな双璧




背を丸めてこぢんまりと息を殺した。


――カツン、カツン。



生徒会役員の人かな。先生っていうのもあり得る。

…会長のファンの人っていう可能性も…!



「……、」

(…こわい…っ!)



無意識に噛んでいた唇に

僅かな痛みが帯び始めた時


――ちゅっ


「…菜穂。イイ子だよ」



わたしの額に口付けを落とした彼は

余裕を携えたまま、静かに唇の端を上げて


諭すような、妖艶な微笑をを浮かべたのだった。


(…っ、…!!)


声にしてはいけないその叫びは、一番の赤面となって表れる。


…この人は本当に。

本っ当に、もう。


心臓がいくつあっても足りないよ…っ!

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