逃げる彼女に甘い彼 ~my sweetheart~
「そんなどんな奴だよ。」

「そのうちね。まだ付き合い始めたばかりだから。親からも大っぴらにしないように言われてるし。
私の話はいいから、千歳は?
若旦那は着物美人がいっぱいで選び放題?
遊びすぎちゃだめだよ。女は心配性で嫉妬深いんだから。」

「遊んでねーし。気にくわねえなあ。」

日本酒を手に急に口が悪くなり、飲みすぎか。

メール見てもらえただろうか。中座してお手洗いに個室を出た。
メールをチェックするけど既読がつかないので忙しいのだろう。

それにしても千歳、ウーロン茶でも飲ませて良い冷ましさせとかなきゃ。
実はあまり強くないから。

お手洗いを出て部屋へ戻ろうと廊下を通る。おもむろに外の景色を見る。
庭が手入れされとても落ち着く景色だ。花木のバランスが素敵だ。良い冷ましに眺めていたら、
廊下の一室が開いて、キレイな女性がご機嫌に出てきた。
私も自分の個室へ戻ろうとそのまま背を向けた。

その時、

「蓮くん、今日もありがとう。美味しかった。これからどうする?」

「とことん、お付き合いしますよ。」

背後から聞こえる声に思わず振り返った。

こんなところで、まさか…。
やっぱりだけど蓮さんだ。声を聞き間違えるわけない。
しかも、女性と二人きり。
どういうこと?
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