懐妊初夜~一途な社長は求愛の手を緩めない~
(宮内からの言葉で認めさせられるとは情けない……)
年上なのに不甲斐なくて申し訳ない。っていうか年上だからちょっと怖かったんだよ。
小さく深呼吸をして、腹を決めて彼女と向き合おうと決めた――そのとき。
「な……なんちゃって――!」
素っ頓狂な声が間近で響いて、俺はぽかんとしてしまった。
目の前では顔が真っ青の宮内が両手をバタバタ動かしながら弁解している。
「お気づきだと思いますけど、冗談ですからね! 真に受けないでくださいね! 本気にされると私のほうが恥ずかしくなっちゃいますからっ……」
「いや……さっきの感じは冗談じゃないだろ」
あんなに真剣な顔で「子どもが欲しいです!」と言っておいて、〝冗談〟ではあまりに苦しすぎる。
第一、普段冗談なんてほとんど言わないじゃないか、お前。
宮内は真っ青だった顔を今度はどんどん赤くして、見るからに取り乱していた。
渡した書類を床に取り落とし、派手にぶちまけた。泣きそうな顔で拾おうとするのでいったん掴まえ、隣の椅子に座らせる。
触れた場所から伝わる体温も高い。
「宮内、落ち着け。座りなさい。……こっち見て」