見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
散々飲食したけど清算はまた…と席を立とうとした。
だけど、テーブルの上に置いた手の上に手が重なり、驚いて前を向いて目を見張った。


私を見ている副社長は、複雑そうな表情をして黙り込んでいた。
厳しいような目つきでこっちを見ていて、その顔を見ると何も言えず、動くことも出来なくなって凝り固まった。



「そうやって直ぐに逃げ出そうとする。だから、さっきも腕を握って離さなかったんだ」


帰さない、と言うと、座れ…と指示される。

戸惑う私が仕様がない気持ちで座り直すと息を吐き、「謝るとしたら俺の方だ」…と項垂れた。


「真面目な神野を揶揄って悪かった。いかにも男慣れしてない感じだったのに、誘って気絶させたのはやり過ぎだった」


ごめん…と頭を項垂れてくる相手。
そんな彼に、いいえ…と首を横に振り、私がいけなかったんです…と謝り返した。


副社長は困ったような顔で私を見つめている。
泣いてばかりいると彼を困らせる。
そう思って、ハンドタオルで涙を拭おうと手にした。



「ようやく涙を見せたな」


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