見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「好きって…俺が?」


唇が呟き、指先が自分のことを指差した。
その仕草を見つめて、こくっと頷き、思わずカァーッと顔が熱くなるのを覚えた。


「す、すみません。バカなことを言って」


今日会ったばかりなのに何言ってるんだ。
ほら、副社長も困った顔をしているし、早く否定しないと。


冗談です、と一言。
簡単じゃない。


「あの…」


ちらっと目線を向けると、ジッとこっちを見つめている相手とガチ合う。
こんな至近距離でイケメンと見つめ合うなんて、もう二度と経験しないかもしれない。


「あの…私…どうも副社長に一目惚れ…してしまったみたいで」


性懲りもなく何言ってんの、と自分の漏らした言葉に冷や汗を感じる。
でも、もう二度とない経験なら、この場で玉砕するのもアリかと覚悟を決めた。


「初めてお目にかかった瞬間から、どうしても目線が外せなくて。今日一日中ずっと副社長のことを目で追ってばかりいました。見れば見るほど心の中が弾んでしまって、さっきも同じ空間にいるのが咽せ返るくらいに緊張してしまって……」


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