見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
「三月半ばだけど、やっぱり今年は雪が少ないな」


それも暖冬のせいかな…と心配する千之さんの後ろで、私は周りに目を向け、初めて目にする世界に感動しながら歩いていた。


葉を落とした白樺の枝には、雪が薄っすらとまだ残っている。
氷の張った池の中はハッキリ見えるくらいに透明度も高く、そこで春を待つ植物の姿にも感動し、言葉をなくしながら道を歩んだ。

登山口からは少し道が険しくなって緊張もした。
それでもゆっくり歩いてくれる彼に合わせて足を進め、適宜休憩をとりながら山頂へ向かう。

途中では同じように山頂へ向かう人達とすれ違い、「こんにちは」と挨拶し合ったり、「お互いに頑張りましょう」と声をかけ合うのが素敵で、また感動を覚えた。

自分が想像していたものとは全く違う山の雰囲気にすっかり魅了されていた。
こういうのが好きで、彼がアウトドアを趣味にしているのなら、また共有したい…といつの間にか思うように変わっていた。


山の中腹からは厳しい上り坂が始まる。
そこからは足の遅い私が先に行った方がいい、と彼が言いだし、自分のペースで歩いていいから…と言ってはくれるが__。


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