見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
手袋をしてない彼の掌は温かい。
その温もりを感じながら私はあの冬山でのことを思い出し、いつかまた一緒に山へ登れたらいいな…と考えて足を進めた。
街の中を吹き渡る春先の風はまだ冷たく、時に足を止めたくなるくらいの突風が吹いて、私は彼に擦り寄りながら風を避けて歩いていた。
「あ……」
声に反応して顔を上げると、目の前にはカフェの看板が見える。
あの店は…とお正月のことを思い出し、きゅっと手を握り直して彼の方に目を向けた。
私が見ると、彼の方も目線を向けてくる。
私達はどちらともなく微笑み合い、足先を向けて、店先に置いてある立て看板を見入った。
「メニューが変わってる」
「ああ、もう春だもんな」
看板には、『苺フェア始まりました』の文字と一緒に、苺を使ったドリンクやアイス、パンケーキなどの写真が掲示されていた。
「見て。ストロベリーココアだって」
「どうせ甘いんだろ」
それでも味見してみたい、と言うと彼は仕様がなく店の中に入る。
店内ではあの時と同じようにココアの甘い香りが漂い、私はその香りを嗅ぎながら注文をしてトレイを受け取った。
その温もりを感じながら私はあの冬山でのことを思い出し、いつかまた一緒に山へ登れたらいいな…と考えて足を進めた。
街の中を吹き渡る春先の風はまだ冷たく、時に足を止めたくなるくらいの突風が吹いて、私は彼に擦り寄りながら風を避けて歩いていた。
「あ……」
声に反応して顔を上げると、目の前にはカフェの看板が見える。
あの店は…とお正月のことを思い出し、きゅっと手を握り直して彼の方に目を向けた。
私が見ると、彼の方も目線を向けてくる。
私達はどちらともなく微笑み合い、足先を向けて、店先に置いてある立て看板を見入った。
「メニューが変わってる」
「ああ、もう春だもんな」
看板には、『苺フェア始まりました』の文字と一緒に、苺を使ったドリンクやアイス、パンケーキなどの写真が掲示されていた。
「見て。ストロベリーココアだって」
「どうせ甘いんだろ」
それでも味見してみたい、と言うと彼は仕様がなく店の中に入る。
店内ではあの時と同じようにココアの甘い香りが漂い、私はその香りを嗅ぎながら注文をしてトレイを受け取った。