見守り愛 〜ビタースイートな副社長と一目惚れの恋を成就したい〜*おまけ終了*
そういう寂しさも一緒に住めば解消されるだろう…と思わずにはいれなかった。
彼に迷惑を掛けるかもしれないけれど、いつかお願いしてみたいとも思っていた。


それが今、目の前にいる人の方から言ってくれている。
ずっと頭の中で願い続けてきたことが、実際に叶おうとしている。


本当に?…としつこく自分に問い直す。
お陰でずっとだんまりになってしまい、痺れを切らした彼から、「琴音」と厳しい声で名前を呼ばれた。


「手を出してみろ」


凄む雰囲気にビクつく。
恐る恐る両手を差し出せば、彼は掌を上に広げさせ、それに自分の手を重ねて何かを手渡した。


そうっと開くと手元にはシルバーの輝き。
ハープのチャーンが付いた部屋の合鍵で、目を見張りながら掌に乗ったものを見遣った。


「琴音のイメージって言ったら、これだな…と思ってさ」


ハープのモチーフを指差して微笑む。

それは指輪を買ったアクセサリーショップで見つけた物で、近いうちにスペアキーを付けて私に手渡そう…と狙っていたのだそうだ。


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