禁猟区のアリス
15
「これは、ライトが勝手に外に出て危ない目に遭わないように保護しただけだ」
私は無意識に言い訳をしていた。
ウサギは何も言わない。
狭い水槽の中を、長いヒレを絡ませて、熱帯魚がもがく。
全てはライトのため。ちゃんとした子供にするため。
少し厳しかったかも知れないが、私には愛があった。
丸い鳥かごの中で、美しい色の小鳥がきれいな声でさえずった。
口の中が、不快なほどに甘い。
「君の罪状は、虐待による殺害だ。それは変わらない。でも……」
冷たい瞳で、ウサギが私を見つめた。心の底まで見通そうとしているようだ。
私は動揺を隠すために、紅茶のカップを手に取った。すっかり冷めてしまったそれは、べたべたと甘いココアの味がした。
「でも今なら、君の死因をギャクタイによるデキシに変更することもできる」
どうする?とウサギが問う。
「アリス。君は7歳の少女として死ぬ。君自身のシツケで死ぬことになるんだ。彼女が耐えた7年間、君が耐えると言うのなら、彼女は君として人生をやり直すことができる」
「……それは…」
私にはウサギの言う意味が分からなかった。ウサギは片手で頬杖をついたままミルクのカップをかき回し続けた。
「アリス。君が7歳の少女になった場合、ギャクタイでデキシするのは決まりだ。ただ、”誰に”デキシさせられるかは、わからない。それは、彼女自身の手でかも知れないし、彼女のママ、もしくはママのオトモダチかも知れない」
「もし……」
声がかすれた。
「これは、ライトが勝手に外に出て危ない目に遭わないように保護しただけだ」
私は無意識に言い訳をしていた。
ウサギは何も言わない。
狭い水槽の中を、長いヒレを絡ませて、熱帯魚がもがく。
全てはライトのため。ちゃんとした子供にするため。
少し厳しかったかも知れないが、私には愛があった。
丸い鳥かごの中で、美しい色の小鳥がきれいな声でさえずった。
口の中が、不快なほどに甘い。
「君の罪状は、虐待による殺害だ。それは変わらない。でも……」
冷たい瞳で、ウサギが私を見つめた。心の底まで見通そうとしているようだ。
私は動揺を隠すために、紅茶のカップを手に取った。すっかり冷めてしまったそれは、べたべたと甘いココアの味がした。
「でも今なら、君の死因をギャクタイによるデキシに変更することもできる」
どうする?とウサギが問う。
「アリス。君は7歳の少女として死ぬ。君自身のシツケで死ぬことになるんだ。彼女が耐えた7年間、君が耐えると言うのなら、彼女は君として人生をやり直すことができる」
「……それは…」
私にはウサギの言う意味が分からなかった。ウサギは片手で頬杖をついたままミルクのカップをかき回し続けた。
「アリス。君が7歳の少女になった場合、ギャクタイでデキシするのは決まりだ。ただ、”誰に”デキシさせられるかは、わからない。それは、彼女自身の手でかも知れないし、彼女のママ、もしくはママのオトモダチかも知れない」
「もし……」
声がかすれた。