メリークリスマス!
「大丈夫だ。」
そう力強く多香子に言う。
「・・・」
渉には多香子が精神的に不安定になるとわかるようになっていた。渉の言葉に反応しないわけじゃない。多香子が息苦しさを隠すために反応できないのだとわかった渉は多香子の体を抱きしめた。
「大丈夫。」
背中をさすりながらそう繰り返す。

すぐに多香子の呼吸は落ち着いた。
「ごめんね。」
まだ渉に抱きしめられたまま、多香子が言うと渉がそっと体を離した。
「なにが?」
「・・・迷惑ばっかり」
「ばか」
多香子の言葉に渉が優しく微笑む。
「立てるか?」
「うん?」
渉が微笑みながら多香子を連れてリビングへ向かった。
体が冷えないように多香子の肩にカーディガンをかける。
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