君がいればそれだけで。
ガスの量からして冷たくなっていても良い頃なのに体温もまだある。暗殺者の内では知られている薬でも飲んだかな。量によっては吐き出させないと植物状態になってしまうんだけど、血の流れが正常な所を見ると一時凌ぎに少量飲んだ感じかな。一体、誰がこんな事したんだろう。
取り合えず解毒成分の入ったお茶を飲ませてベクウを布団の上に寝かせ、兄さんが来るのを待つ事にした。でも、説得に時間がかかっているのかもしれない。扉を叩いて入って来たのはジーニアだった。

「あの、大丈夫ですか?」

「うーん、残念だけど」

「そんな・・・」

ジーニアは膝から崩れ落ち、大泣きしていた。ベクウと仲良かったっけ。
< 123 / 300 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop